今回は有名なロマンスコメディ(英語ではロムコムというらしい)
「ノッティングヒルの恋人」の1シーンについて書きたいと思います。
(あくまでも個人的解釈がたくさんですが。)
この内容を書きたいと思った経緯
このあと書こうと思っている私の大好きなイギリスドラマ「ダウントンアビー」についてももっと知りたいと思っている中、本を読んでいたらこんな内容が。
出典:華麗なる英国貴族101の謎
イギリスの文化が大好きな人はご存知だと思いますが、イギリスには「サーカズム」という文化が存在します。
日本人が綺麗好き、と同じぐらいイギリス人にとってはサーカズムを言えることは代表する特徴で、誇り高き文化ととらわれているしドラマや映画では頻繁に登場します。
「サーカズム」とは、日本語でいうと皮肉や嫌味と訳されますが、個人的にはちょっとしっくりこない。
ブラックジョークが一番近いのかもしれないけれど、このサーカズムは嫌味でも皮肉でもあるんだけど、クスッと笑ってしまう、この絶妙なラインをうまく使いこなすことができる一種の高度な教養みたいなものだと自分は思います。
(=なので、人によっては今の何?冗談?っていう感じに思える人もいる)
このように本の中でコラムに書かれるほど、イギリス特有の文化だと言っていいものなのです。
まさにこのシーンこそサーカズムが詰まってるな、と思う1シーン
「ノッティングヒルの恋人」はイギリスとアメリカの共同制作の映画ですが、舞台はロンドンのノッティングヒル。
俳優もほとんどイギリス人で構成され、まさにイギリス文化のサーカズムをつめた映画だなとずっと思っています。
自分はこの映画が人生で一番好きな映画で、何百回もみるほど。多分死ぬまでみ続ける自信があるほど、大好きな映画😍
簡単なあらすじは、ノッティングヒルの古ぼけた本屋を営む冴えない男のウィリアムと、アメリカ人大女優のアナが街で偶然ぶつかってしまうとこから二人が徐々に恋人関係になっていく物語。
有名な1シーンがこちら、ブラウニーコンテスト。
Who deserves the last brownie?
(この最後のブラウニーをもらうに値する人は誰だ?)
ウィリアムの妹の誕生日会ということで、そこにアナを連れていくことになったウィリアム。
集まってくれたいつも集まる友達に
「なんであのアナがいるの!?!?!?説明しなさい!!!!」
と裏で詰められながらも、何事もないように振る舞ってくれる優しい友達たち。
ディナーも終盤になりデザートのブラウニーを分け合っている時、アメリカ人女優アナを目にしたことで
「やっぱりイギリス人は惨めだよな。ここで一番不幸な人を演じられた人にこの最後のブラウニーを贈呈する」と一人が言い出し、
それぞれが役者となって惨めな人生のストーリーを共有していくことに。
バーニー
「もちろん俺だよ、仕事はよくわからないしみんな昇進していく。恋人は長いこといないし誰も俺のことをすいてくれない」
ホニー(ウィリアムの妹)
「でも少なくともいい給料はもらってる。私は週に20ペンスしか稼げないし、髪はボサボサ。ギョロ目だし男運は悪い。胸が萎み始めたので、結婚は無理かも」
ここでベラが
「But on the other hand, her best firend is Anna Scott.」
(でも彼女の親友に大女優のアナスコットがいる。)と励ます。
ホニー「Oh well that is true. I can't deny it. She needs me. What can I say?」
(本当にね。否定できないわ、彼女が私を必要なんだもの。他になんて言えっていうのよ)
と返すのも一種のサーカズムだよね〜〜〜
ここでみんなクスクスしてる。
ベラ「あなたは少なくとも健康よね。私は車いす生活で、ここに座ったまま。大好きなタバコもやめたし、おまけに子供も産めない。恵まれてるけど、ブラウニーは私じゃない?」
マックス「どうだろう、ウィリアムを見てみろよ。仕事は繁盛してないし、離婚経験あり。だんだん顔は崩れてきてるし、学生時代のあだ名は変。」
ウィリアム「ありがとう、ブラウニーは僕だよね?」
と取ろうとすると、アナが「まって私は?」と。
マックスとウィリアム
「君が?ちゃんと君が惨めだって証明できる?このブラウニーのために僕は戦うけど」
アナ「若い頃からダイエット生活でもう何十年もお腹が空きっぱなし。男を見る目がないし、別れるたびにマスコミは私の私生活を取り上げる。整形も2回したし、いつか私が演技力がないってことにみんな気づくのよ」
(みんな悲しそうな目・・・・・・・)
(沈黙・・・・・・・・・)
マックス「ナイストライだけど、うーん、他の人には勝てなかったね。」
ハハハハ
このシーンの醍醐味は、あくまでも設定というていで、みんながそれぞれの不幸話を語るところ。
一見するとみんな自虐的だし、友達をdisったりちょっと失礼ww
な場面なんだけど、これを言ってもお互いを笑える信頼関係がある。
そして何より、これは一種の励ましなんだと思います。
自分の不幸な話を一緒に笑ってくれる、これはすごく大事なことだと思うし、笑うことで
その辛さを吹き飛ばしてくれるようなシーンだなと。
普段見えないそれぞれが抱えている悩み、でもそれを『役』の設定とすることで
スラスラと話せてしまう、すごいいいシーンだなと何度見ても思います。
ノッティングヒルの恋人の中には、これに限らず
たくさんのクスッと笑えるシーンが。
最後はハッピーエンドだし、本当にウィットに富んでる映画だなと思います。
おわり
次は多分ダウントンアビーを書く予定!
シーズン6まである超大作なのでどう書くか迷い中。
でも人生でいちばん好きなドラマ(再び)なので
書かない訳にはいかない!
コアな同じようなファンの方に届きますように✌︎('ω'✌︎ )